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 日本では、商売をやるところならどこでも、神棚を祭ってあるでしょう。「商売が繁盛しますように」という祈りを捧げるためです。人の力ではいかんともしがたいものに立ち向かうとき、人はなぜか手を合わせたくなるようです。それは世界中どこでも同じ。もちろんタイでもそうですし、ゴーゴーバーも例外ではありません。


 ただ、ゴーゴーバーのご神体は、実に手荒に扱われるようです。「そんなことしていいのかよ。」と、突込みどころ満載の「性(聖?)なる儀式」が、毎夜行われています。ご覧になられた方も多いことでしょう。儀式の様式は、それぞれの店で異なるようですが、共通点もいくつかあります。詳細なことは知りませんが、興味深いものですので、私が見たことをお伝えしましょう。
 
 
 まずご神体ですが、男性のシンボルです。木製のようですね。大きさは様々です。そのご神体を店の入口に打ち付けたりして、まずは外から店内に客を呼び込むことを祈ります。「千客万来の神事」でしょうか。続いてそのご神体で、客席のテーブルやステージ、ステージのポールなどを叩きます。それから女の子の胸や番号札を優しく叩きます。こうして、店内に福が多いことを願うのです。
 
 以前はソイカウボーイでもよくやっていましたが、最近はほとんど見なくなりました。一方ナナプラザは、多くの店でまだやっています。レインボー系では、入り口をご神体で叩いて祈り、あとは女の子の胸などをそっと叩くというシンプルなものです。マーキュリーやエロティカなどでは、「股くぐりの神事」も行っています。
 
 
 では、もっとも儀礼的だと思われるエロティカの「性なる儀式」を紹介しましょう。まずご神体を、コップに入った聖水に浸けます。店の入口付近で、そのご神体で床に絵を描きます。男性の睾丸と陰茎を表すような絵です。左に丸、真ん中に細長い楕円、そして最後に右に丸を描きます。その上をなぞるように、3回くらい同じ絵を描きます。
 
 続いて、女の子たちがその絵を描いた子の後ろに数人並び、股を広げます。その股の間をご神体が通るように、後ろに滑らすようにしてご神体を投げます。このとき、ステージ上の子は参加できないので、股くぐりに参加している子たちにつながるようにします。そうすることで、神事の福をいただこうということなのでしょう。
 
 つながり方は、ステージの子が受ける側ですから、片手でゆるく拳を握ります。その親指と人差指の間に空間を作り、そこに股くぐりに参加している子の人差し指を挿してもらうのです。ステージの子が直接つながれない時は、ステージの子同士で同様にしてつながります。
 
 つながり方の意味はわかりますよね?男性のシンボルが女性のシンボルにはまった状態を表しています。この動作は、ペイバーされた子が他の子にするのと同じです。人差し指を軽く抜き差ししながら、性交時のピストン運動のようにするのです。
 
 この「股くぐりの神事」は、入り口からステージまで、ステージの前面、ステージの側面、ステージの後ろ側というように数ヶ所で行われます。それはまるで、入り口からの運気をステージ全体に広げるかのようです。
 
 
 続いて「ルーレットの神事」が行われます。ステージ上に丸くなるようにして、女の子たちが集まります。その中心にご神体で例の男性器の絵を描き、ご神体を横にして置いて、くるくる回すのです。止まったとき、ご神体の先端が指す方向にいる女の子は、もっともラッキーだということなのでしょうか。ご神体の先を番号札や胸などに押し当て、手で頭から運気をかけるような仕草をします。
 
 「ルーレットの神事」も、何度か行います。最初が回す人を決めるもので、次が運の良い子を決めるためのものかもしれません。エロティカ2ではご神体が2つあるので、それぞれで行っています。こうして、この日の「性なる儀式」が終わります。
 
 
 コップに入れた聖水を、何かにつけて、女の子たちにふりかけたり、番号札などにつけたりもします。また供え物を全員に配り、それをありがたそうに押し頂くということもあるようです。こんな不思議な儀式が、毎夜、二十歳前後の子たちによって行われているのです。
 
 なお、これは多くのタイ人が信仰している仏教とは、まったく関係がありません。ナナプラザの1階にも祠(ほこら)がありますが、あれも仏教とは無縁です。仏教を信じながら、他の神も信じる。ご利益があれば何でも良いのかと突っ込みたくもなりますが、まあでも、人とはそういうものではないでしょうか。日本人も、仏教も神道も何でもありですからね。
 
 ナナプラザへ行かれたら、ぜひこの「性なる儀式」をご覧になってください。たいてい、9時前後くらいに行っているようです。厳粛な気持ちで参加している女の子たちの姿が、また美しく感じられることでしょう。