Pocket

 陸前高田市の被災松を、京都の「五山送り火」に使う話は、すったもんだした末にお流れになりました。結局、松の表皮から1,130Bq/Kgの放射性セシウムが検出されたからとか。量が問題なのではなく、少しでも検出されたら使わない方針だったと。日本人の潔癖症も、ここに極まれりという気がしています。


 一方で山形県は、放射能で汚染されたがれきを引き受ける基準を、独自に制定しました。国の決定などを待っていては、いつまでも被災地を助けられないからです。基準はかなり低いものの、なんとか助けたいという気持ちは伝わります。さすが上杉鷹山公のお膝元。「為せば成る 為さねば成らぬ 何ごとも 成らぬは人の 為さぬなりけり」という、鷹山が作ったとされる歌。それを子どもの頃から、聞かされているだけのことはありますね。
 
 
 日本人は、和の心を大切にする心優しい民族。だから他人が困っているのを見たら、自らの危険も顧みずに助け、誠心誠意尽くそうとする。トルコがいまだに親日なのも、1890年のエルトゥールル号の遭難事件の時、和歌山県串本町の人々が危険を顧みずに助け出し、多くのトルコ人の命を救ったからです。
 
 私は、そういう心を持った「日本人」の一員であることに誇りを感じています。それだけに、今回の原発事故にまつわる騒動は残念。「正しく怖がる」ということをたまに目にしますが、愛が不安によって駆逐されつつある様相は、見るに耐えないものです。
 
 
 さて、この日はナナプラザです。日本のお盆休みということで、日本人の旅行客がたくさんいましたね。でもそのお目当ては、ほとんどレインボー各店だったようです。ソイカウボーイのバカラも、おそらく同じ状態だったでしょう。確かに人気店ですからわかりますけど、あまりに偏りすぎている気がします。
 
 私もレインボー2と3と行ったのですが、どちらもまずまずの客の入りだったようです。レインボー1と3のスタッフ総入れ替えがまたあったので、レインボー3がちょっと心配だったのです。でもそれは杞憂(きゆう)でした。
 
 しかし近くのある店では、ほとんど客が入らなくてガラガラです。たまに日本人客が覗いたりするのですが、入口付近で眺めただけで出ていきます。人の好みはそれぞれですから、それを悪いとは言いません。ただ、もったいないなと思うだけです。
 
 どうも、「みんなと同じでないと安心できない」という雰囲気を感じるのです。もっと自分らしさを求めたらいいのに。思い切って飛び込んだら、意外と自分とピッタリ合っているかもしれないのですから。まあ旅行中のわずかな時間で最大限に満足しようとすると、どうしても人気店に集中したくなるのもわかりますけどね。
 
 
 その店には、私のお気に入りの子がいます。私のところに来れば、ドリンク1杯はご馳走します。その日もご馳走して話をしていたら、1人のファラン(西洋人)の客が入ってきて、私の近くに座りました。すると彼女、私の腕を引き寄せます。「ねえ、もうちょっとこっちに寄ろうよ。私、あの客が嫌いなの。」
 
 そんなに悪そうな客にも見えないのですけどね。「タルン(すけべ)だから?」と聞くと、そうじゃないとのこと。よくわからなかったのですが、どうも性格が自分勝手で嫌いなようです。それで彼女はその客のペイバーも断るので、ママさんから怒られるのだとか。まあ、女の子にも選ぶ権利はありますからね。
 
 彼女が踊っていると、また別のファランの客が入ってきました。すると彼女、すーっと柱の陰に隠れます。その客は彼女を探していたようですが、いないと思ったのか出て行きました。その様子をじっと見ていた私に、ステージ上から彼女がウインクします。どうやらまた、嫌いな客だったようです。
 
 
 ダンスが終わって戻ってくると、私にこう言いました。「ねえ、○番の子にもドリンクをご馳走してあげてよ。あの子、私の友だちなの。今日は1杯もご馳走してもらってないの。」こういう友達紹介の依頼は、基本的に断ることにしています。すべての子に甘い顔を見せるわけにもいきませんから。
 
 でも、この日はOKしました。それは、その紹介された子のことも、少し気に入っていたからです。それとこの店は、女の子がみんなよく踊ります。それなのに、この客の入りはないだろうと感じるほど、お客が入っていません。いっとき、客が私だけになりましたからね。かわいそうじゃないですか。それで他の女の子の分も代表して、彼女の友人の子にご馳走することにしたのです。
 
 
 ともかく半分以上の子は、客がいようがいまいが関係なく、よく踊っています。こんな店は、そう多くはありませんよ。私は、ステージから客の気を惹こうとする所作が、あまり好きになれません。真剣に踊っている姿を見て、「美しい」と感じる瞬間が好きなのです。だからこういう店の子たちは、大事にしたいなと思うのです。
 
 私のお気に入りの子は、自分からドリンクをねだることはありません。私がすぐにご馳走するからということもありますが、2杯目もねだらないのです。そういういじらしいところを見ると、また嬉しくなっちゃうのです。ということで、紹介された友だちとお気に入りの子に、1杯ずつご馳走しましたよ。
 
 
 11時半くらいだったでしょうか。外は猛烈な雨でした。それでも他の店に移動できるのがナナプラザの良いところ。いくつか回った後、久しぶりにプレイスクールに入ってみました。こちらも客は少なめでしたが、お気に入りのヌーナーちゃんがいました。2ヶ月ぶりの再会です。
 
 プレイスクールの中では小柄な方の彼女は、かわいくてアイドルみたいです。年齢的にはちょっと厳しいですけど、わざとやってみせるぶりっ子ポーズがかーわいーい!子犬みたいにじゃれついてきて、オジサンもまんざらじゃありません。やっぱり私はツイていますね。きっと日頃の行いが良いからでしょう。
 
 
 「情けは人の為ならず」と昔から言いますが、相手の立場で想像してみることです。自分がどう見られるかではなく、相手の中に没頭すること。そうすれば、何とかしてあげたいと思うでしょう。自分がどうなるとか関係なしに。そういう考え方をしていると、だんだんとツイてくるのです。
 
 ということで、またたくさん使っちゃいました。「まあ、いいか。楽しいから。」誰かを喜ばせたら、その人は私を好きになるでしょう。そうすれば、もっと私を喜ばせてくれる。私もその人を好きになり、もっと喜ばせたくなる。こうして喜びのサイクルは大きくなります。
 
 それにはまず、相手に「私を喜ばせろ」と要求するのではなく、相手の今に喜びを見つけ出す方が簡単です。そうすればすぐにも、相手のために何かしたくなるはず。自分を喜ばせてくれる誰かを捜し回っているうちは、まだ理解できないでしょうけどね。