Pocket

 タイを訪問する旅行者数が減っていると、最近のニュースにありました。6月までの統計を出して、政争やクーデターの影響だと伝えています。でも、そこでおしまいなんですよね。なんで?だってもう7月に入ってるし、今の状況を伝えなかったら、なんの役にも立たないでしょう?軍政ではあっても、タイの国民からは好意的に受け入れられているし、政争がなくなって情勢は落ち着いているのに。
 
 こういったニュースを読めば、読み手は「ああ、やっぱりタイは危ないんだ。だからみんな避けてるんだ。」と、誤った印象を持つことでしょう。「これは過去のことだから、今はどうなんだろう?調べてみよう。」などと深読みする人は少数です。欧米はタイの軍政に反対して制裁措置を行っており、渡航中止を呼びかけています。日本も親米だから、それに追随するのでしょうか。マスコミまで。
 
 
 受け手がどういう印象を持つか、そしてそれがどう影響するかまで考えるなら、あえてタイへの渡航を自粛させるような報道は、どういう意味を持っているのでしょうね?大手の新聞社に入るような人は優秀な方々だから、そんなことは当然、考えた上での記事でしょう。
 
 もし、この記事の最後に、こんな一文があったらどうでしょう?「しかし今は、軍政によって政争がなくなって平穏な市民生活がおくれるようになり、国民の多くはこれを好意的に受け止めています。」随分と印象が違うのではないでしょうか?このことからしても、過去の事実だけを伝える手法が、意図的なものだと感じられるのです。
 
 タイからの渡航者が増えたことで、日本の観光関連業界は喜んでいるはずです。だったら、そのお返しをしようと思うのが、人の真心というものではないかと思います。タイへの旅行者が減って困るのは、軍政よりもまずは末端の庶民です。大手のマスコミが、事実ではあるけれど風評被害を生むような報道をすることは、タイの弱者を苦しめるのと同じ行為だと、私は思います。
 
 
 さて、そうは言っても、タイの庶民はなかなかしたたかです。そう簡単に潰れはしません。パッポンでは、店を閉めたと思われていたキスが、また営業を始めました。こういうのを見ると、なんだか「がんばれよー!」と応援したくなるんですよね。
 
 キスがオープンしたのを知ったのは、実は他の店で教えてもらったからです。その店は、たしかlastという名前のコヨーテパブです。場所は、今は閉まっているプッシーコレクションより数軒ほどシーロム通り側にあります。ここのコヨーティーたちがなかなかいいよと、読者のマムアンさんから情報をいただいていました。それで、いつか行ってみようと思っていたのです。
 
 
 行ってみると、場所はすぐにわかりました。何度も店の前を通っていたのに、完全に無視していたようですね。店内はおしゃれな感じで、中央に1人用の丸いステージが4つか5つあり、コヨーティーたちがその上や床で踊っています。周囲にテーブル席があり、その周りの壁側にはソファー席もあって、まったりできそうです。
 
 ドリンクは、ビールが140~150バーツほど。レディースは180バーツでした。ペイバー代は1,000バーツとのことです。最近の私にしては、しっかりと調査したでしょ?コヨーティーは10人くらい在籍していて、2グループで交代して踊っていました。さすがコヨーティーだけに、しっかり踊っている子が多いです。
 
 
 でも、入店してすぐに気づきましたよ。「なんでここにいるの?」そう、休業していたキスで踊っていた子たちです。さすがに私が気に入っただけのことはあります。このコヨーティーたちの中にあっても、目立つダンスですね。顔見知りが来たから、ハッスルしただけかもしれませんが。
 
 どうやらこの店は、4ヶ月くらい前にオープンしたのだそうです。そしてキスの子は、キスが閉まるとすぐにこちらへ移籍したのだと。なんだ、そうと知っていたら、すぐにこっちへ来たのに。目の前を通りながら、少しも気づかなかった自分が悔しいですね。
 
 ところが、翌日にはキスへ行くと言うのです。「キスって、店を閉めているんじゃないの?営業しているの?」そう尋ねると、営業を再開したとのこと。その話を聞いて、さっそくキスへ行ってみたというわけなのです。
 
 
 私のお気に入りの子はコヨーテパブなので、キスへ行っても知っている子はいません。でも、あのおばあちゃん給仕がいるかと思って・・・。しかし、おばあちゃん給仕はいませんでした。「ドリンクよりもチップがいい。」初対面にも関わらず、ストレートにそう言ってきたところが気に入って、それからは行くたびに100バーツのチップをあげていました。70歳代だと言っていたおばあちゃん給仕に、また会いたかったのになあ。
 
 まあそれでも、新しい店は開拓できたし、キスも営業再開したとわかったので、パッポンでも楽しめる店が増えました。軍政という異常な状態であることは変わりませんが、しかし、庶民にとっては日常の生活が穏やかにできることが何よりなのです。徐々に以前のような活気を取り戻しつつある夜の街で、このささやかな幸せが続くようにと願ったのです。