ともかく一瞬でも早く眠りたかった。
オレは崩れ落ちそうなジュンを支えながら、ホテルの部屋へ向かった。
 
 
マンハッタン・ホテルは、JF(ジョイナー・フィー)がかからない。
いわゆる連れ込み料がタダだということだ。
 
 
タイのホテルは、通常は部屋ごとに料金が決まっている。
ダブルやツインに一人で泊まろうと二人で泊まろうと、値段は同じだ。
しかし、チェック・インで申告した以外の人を招いて泊めようとすると、チャージをとられるホテルもある。
それがJF(ジョイナー・フィー)と呼ばれるものだ。
 
 
オレは、やはりJF無料のホテルを選ぶ。
どうも後で追加料金を取られるということに納得できないし、癪に障るからだ。
 
 
マンハッタンは、スクンビット地区のほぼ真ん中あたりという好立地に加え、安くてJF無料というところが気に入っている。
難点は、ちょっと古さを感じるところだろうか。
 
 
部屋に入り、ドアにロックをしてベッドに向かうと、もう我慢できなかった。
崩れるようにベッドに倒れこみ、シャワーどころか服もそのままに眠りに落ちた。
 
 
 
ふと気がついて時計を見ると、10時半を示していた。
なんだ、まだ3時間ほどしか寝ていないのか。
まだ酔いが残っていて、ふわふわと気持ちいい。
 
 
目の前に、ジュンがこちらを向いて静かに寝ていた。
顔を半分ほども覆った長い髪の間から、口元がキュッと上がったかわいい寝顔が見える。
拝むように添えた腕の下の方には、ほど良い大きさの乳房の一部がのぞいて見えた。
 
 
視線を下げると、くびれたウエストの先に形の良いヒップがある。
ミニスカートからとび出した足は、その大事な部分を隠すかのようにひざを突き出していた。
 
 
オレは、衝動的にジュンの太ももの内側を触りたくなった。
一瞬躊躇したものの、衝動は抑えられないほど大きかった。
 
 
そっと右手をジュンの太ももに這わせた。
少しずつ、その大事なところに手が近づいていく。
 
 
ジュンの口からうめき声のようなものが漏れた。
視線を上げてジュンの顔を見ると、目と目が合った。
なぜかオレは、反射的にニコッと笑った。
それを見たジュンは、オレの手をとり、自分の大事なところにあてがった。
 
 
半ば意識がもうろうとする中でも、性の欲求は衰えることを知らない。
ジュンもしきりにオレの下半身をまさぐってくる。
抱き合い、いつしか下半身だけ衣服を剥ぎ取り、二人は一つになった。
激しい衝動が頂点に達すると、オレは果てて落ちた。
そして、また深い眠りに沈んでいった。
 
 
 
気がつくと、ジュンはもうシャワーを済ませていた。
ベッドの上で体を起こすと、頭がガンガンする。
のどが渇き、立ち上がるのさえ億劫だ。
時計を見ると、もう12時を回って1時に近かった。
 
 
ジュンは、オレが起きたことに気づくと、そばにやってきた。
顔を近づけて、「じゃあ、私帰るね。」と言ってキスをした。
 
 
「ちょっと待って。」
オレはそうジュンに言って起き上がり、テーブルの上のミネラルウォーターを一気に飲んだ。
いつの間にか椅子の上に丁寧にたたまれたズボンから、財布を取り出した。
財布の中身を一瞬のうちに確認し、中から千バーツ札2枚を抜き出した。
 
 
その2千バーツを、「ありがとう」と言ってジュンに渡した。
ジュンは一瞬ためらったような感じだったが、ワイをしてそのお金を受け取ると、たたんでポシェットに押し込んだ。
ドアまでジュンを見送り、バイバイと手を振って別れた。
 
 
ひとつの何かが終わった。
オレはそんな気がしたが、それが何か考える余裕はなかった。
再びベッドに戻ると、そのまままた横になった。
飲みすぎたことの後悔があったが、それもすぐに考えなくなった。