スクンビット通りを歩いて、MRT(地下鉄)の入り口を入る。
アソーク通りを横断してもいいのだが、地下の方が快適だ。
エスカレーターの手前で金属探知機のゲートをくぐり、鞄を開けて中をチェックしてもらう。
日本人だとたいして見られることもないが、いちいち開けるのが面倒だ。
 
 
地下に降りて、まっすぐ歩いて反対側の出口へ出る。
これでアソーク通りを横断したことになる。
表に出て右折すると、そこはソイカウボーイの入り口になっている。
まだ早い時間だが、すでに営業している店はいくつもある。
もちろん、まだ女の子が踊っているわけではないが。
 
 
まだ明るい時間帯のソイカウボーイを見てみたかった。
その好奇心だけで、ここまで歩いてきた。
ソイ23までゆっくりと歩く。
行き交うモーターサイ(バイク)の邪魔にならないようにしないといけないのが大変だ。
この時間は、ソイ23の奥にある大学から帰ってくる人が多く、モーターサイが頻繁に行き交っている。
 
 
 
ソイ23を左折してしばらく歩くと、グランドミレニアムホテルの裏手に出る。
以前はタイパンホテルがメインだったが、今はこちらがメインだ。
大きなホテルがあるところには、マッサージ屋も密集している。
その中の一軒の店の前にいる女が、オレを呼び止めた。
「オニーサーン。マッサー。」
 
 
どこでも良かったので、そこへ入ることにした。
店の前でサービスメニューを見る。
タイマッサージは、けっこう痛いことがあるのであまりやらない。
フットマッサージか、オイルマッサージがいい。
時間が十分にあるので、オイルマッサージを2時間コースにした。
この界隈では、700バーツというのが相場のようだ。
 
 
 
店の奥に案内され、靴を脱いでスリッパに履き替えた。
2階へと案内されて個室へ入る。
3畳ほどの個室には狭いマッサージ用のベッドがあり、奥はシャワーブースになっている。
 
 
案内した女はエアコンのスイッチを入れ、全部脱いでシャワーを浴びるようにと言った。
オレが脱ぎ始めると女は外へ出て行った。
薄暗い個室で服を脱ぎ、一つにまとめて置いた。
シャワーを浴びると、歩いたときにかいた汗が流れて気持ちよかった。
 
 
バスタオルで体を拭いて、うつぶせにベッドに横たわった。
バスタオルを腰の辺りに掛けておく。
しばらくすると、さっきの女が戻ってきた。
部屋の照明を少し暗くして、何も言わずにバスタオルを剥ぎ取った。
 
 
女はその手にオイルを取り、そっとオレのふくらはぎあたりに手を下ろした。
すぐにその手を上の方へと動かし、太もも、お尻あたりを念入りにマッサージし始めた。
その優しい手の感触が、とても心地よい。
 
 
特に太ももからお尻にかけてマッサージされるのが、なぜかとても気持ちいいのだ。
まだ性的な刺激とまではいかない。
母の胸に抱かれて、そっとさすられているような満足感がある。
 
 
下半身をある程度マッサージすると、女はオレの頭の方に移動して背中をマッサージした。
背中からお尻にかけて、体を伸ばしてマッサージする。
すると女の胸の辺りの服が、オレの頭に触れる。
少し目を上げれば、そこには女の秘部があるのだろうと、想像してみるのも楽しかった。
 
 
女は時折、どこから来たのかとか、仕事か旅行かなどと、定番の質問をしてきた。
オレは、それに簡単に答えるだけで、特にこちらから質問を返すことはなかった。
ときどきうとうととしながら、マッサージの手の感触を楽しんでいた。
 
 
 
ほぼ1時間ほど経ったのであろう。
女がオレのお尻を軽くたたいて、仰向けになるようにと促した。
オレは素っ裸のまま、何のためらいもなしに仰向けになった。
タオルで隠したりする店もあるが、ここはそれもしないようだ。
オレももう慣れているので、恥ずかしさはない。
 
 
女は、オレの息子を持ち上げて弄んだりしたが、すぐに足元に移動してマッサージを再開した。
足首からすねへ、すねから太ももへと、順番どおりにマッサージをしていく。
オレは軽く目を閉じて、その手の感触を味わっていた。
 
 
そう言えば、オレはまだ女の顔をはっきりとは確認していない。
いや、見てはいるのだが、それほど関心を寄せていなかったということなのだろう。
目を閉じたまま、まるでその手が女そのものかのように感じていた。