「先輩、お待たせしました!つい寝てしまって...。」
「これからって時に寝るかよ。さあ、行くぞ。」
 
「いよいよナナプラザですね。」
「バーカ、まだ時間が早いんだよ。飯食いに行くんだよ。」
 
「そーすか。で、どこへ行くんですか?」
「ホテルでもいいんだが、いつでも食えるから他へ行こうぜ。ナナの近くがいいだろう。」
 
 
ホテルの前でタクシーを拾い、スクンビット・ソイ5へ行くようにとマサ先輩が告げた。
タクシーの中で、マサ先輩はボクに、場所の表し方についてレクチャーしてくれた。
スクンビットは、バンコクの中心部から東に伸びる大動脈の通りだ。
そこから枝のように伸びる小路をソイと言い、北側が奇数、南側が偶数になっている。
だからソイ5と言えば、北側の3番目のソイになる。
 
 
ニューペップリー通りからスクンビット・ソイ3に入り、スクンビットの交差点を左折した。
このときマサ先輩が、左折せずに直進したらソイ4で、そこにナナプラザがあると教えてくれた。
100mほども走ったところでタクシーを降りた。
ソイの入口には、青地に白抜きで5と書かれた標識があった。
 
 
マサ先輩が歩いていく後を、ボクはついて行った。
ソイを少し入って、右側の商店街のようなところを入って行く。
すると右手にシーフードレストランのような店があった。
 
 
「先輩、よくこんなとこ知ってますね。なんか迷子になっちゃいそうっす。」
「前に来たとき、女の子に連れてきてもらったから知ってんだよ。さ、何食う?」
 
「何があるんですか?」
「メニュー見て適当に選べよ。写真ついてんだろ。」
 
 
シンハービールと、海老のすり身の揚げたようなのと、チャーハンと、鶏肉のから揚げと、野菜炒めのようなのなど、2人で5品ほどを注文した。
1品は100バーツくらいからだから、全部で1,000バーツもしない。
 
 
マサ先輩とシンハービールで乾杯し、初めてのタイの食事を楽しんだ。
周りにはタイ語や英語があふれていて、否が応でも異国にいる感じがした。
西洋人も数人来ていて、1人だったり、タイ人の女性と一緒だったりと、日本では見られない光景だ。
 
 
「先輩、本当にタイに来たんですね。そんな感じがしますよ。」
「まあな。さて、これからだがよ。8時半くらいにナナプラザへ行ってみようぜ。」
 
 
そう言ってマサ先輩は、ナナプラザのことを説明してくれた。
ナナプラザは、コの字型をした3階建ての建物がある施設だ。
そこにはゴーゴーバーや普通のバーなどの店が数十店入っている。
ゴーゴーバーは7時半くらいからオープンしているが、早い時間はダンサーも少ない。
 
 
飲み物はビール、ウイスキー、カクテル、ソフトドリンクなど、1杯あたり100~150バーツ程度で飲める。
店の女性に飲ませることもできるが、少し高めの値段になる。
 
 
連れ出すときは、ペイバーと呼ばれる連れ出し料を店に支払う。
だいたい600バーツくらいだ。
それとは別に、連れ出した女性に支払う必要がある。
ショートで2,000バーツ、ロングで4,000バーツがだいたいの相場だ。
ただし、店や女性によっては交渉も可能なようだ。
 
 
「先輩、ショートやロングって何すか?」
「連れ出した子を拘束する時間のことよ。ショートは短い、ロングは長い。」
 
「はあ、でも短いとか長いって、どのくらいなんです?」
「決まりはないんだけどな。ショートはセックス1回で終わり。ロングは翌朝まで、というのが一般的かな。」
 
 
それ以外にも、遠いホテルまで連れて行ったらタクシー代として、100~200バーツを上乗せして支払うようだ。
ナナプラザの3Fなどにもホテル(貸し部屋)があって、300バーツくらいで使えるようだ。
 
 
「じゃあ、マックスホテルに連れて帰って朝までだったら、600+4,000+100=4,700バーツですか。約13,000円ですかね。」
「忘れてるよ、JFを。それに、店で女の子にもドリンクを飲ませるだろう。ざっと計算すると5,600バーツくらいだから、16,000円くらいかな。それでも日本で同じことするより安いぜ。」
 
「日本だったらどのくらいかかるんですか?」
「さあ、聞いた話だけどデリヘルなんかだったら、1時間半でセックスしたら25,000円はかかるだろうな。」
「ひゃー、1時間半で25,000円ですか。それが朝までで16,000円だったら、格安、激安なんですね。」
 
 
そんな話をしていたら、ちょうどいい時間になってきた。
マサ先輩が店員に精算を依頼した。
値段は2人で800バーツでお釣りが来るくらいだった。
お釣りをチップとして残して、歩いてナナプラザへ向かった。
 
 
「最初はレインボー1へ行くぜ。」
「はい、お任せします。」
 
 
マサ先輩は、ナナプラザに入って右手の方へ行くと、すぐ近くの店に入った。
ボクも遅れないように付いて入った。
入口のカーテンをくぐると、ライブハウスのような空間がそこにあった。