中に入ると、すぐに店員が奥の方へと案内してくれた。
まっすぐ入って右側にある壁際の席で、ステージの正面あたりだった。
8時半くらいだが、客はまだそれほど多くはない。
ステージでは、黒いビキニ姿の若い女の子が5~6人ほど踊っていた。
 
 
「おめえもビールでいいよな。ビアシンを2つ。」
「先輩、何すか、これ?あんな若い子が、こんな格好で...。」
「ここで驚かれると、連れて来た甲斐があるぜ。でもまだかれからよ。もう30分もすれば、女の子で一杯になるからよ。」
 
 
運ばれてきたシンハービールで、先輩と乾杯をした。
しかし、それどころではない。
ほんの目の前で、ビキニ姿のうら若き乙女たちが、その美しい体を見せ付けているのだから。
 
 
すぐに近くの店員が、ステージを示しながらどの子がいいかと聞いてきた。
マサ先輩がもう少し待てと言うと、店員はしぶしぶ引き下がっていった。
 
 
飲みながら先輩は、ここのシステムを教えてくれた。
ステージの女の子は2グループに分かれていて、20分くらいで交代するらしい。
呼べばすぐに隣に来てくれて、話をすることができると。
 
 
「先輩、女の子が増えてきましたね。いやー、すっごいなあ。」
「タク、おめえ気に入った子がいたら呼んでいいぜ。」
 
「先輩、多すぎて選べませんよ。タイ人て、かわいい子が多いっすねえ。」
「バッカ、全員とセックスできるわけじゃねえだろう。好みの子がいたらさっさと呼ばないと、他の客に取られちまうぜ。」
 
 
そんなこと言われても、優柔不断なのはボクの性格だから。
どの子も素敵で、本当に選べないのだ。
それに、やっぱり嫌われたらどうしようという怖さがある。
 
 
「タク、おめえあの子どうだ?あの右端から3番目の子。さっきからおめえのことを見ているぜ。」
「えっ、そうすか?いや実は、見られているんじゃないかという気もしてたんですけど。」
 
「ほら笑ってる。やっぱおめえに気があるんだよ。どうだ、呼んでみるか?」
「はあ、まあ、先輩がそうおっしゃるなら。」
 
 
マサ先輩は店員に話しをして、その子を呼んだ。
店員が呼びに行くと、すぐにその子はステージを降りてやってきた。
ちょっとためらいながらも、ボクに手を差し出してきた。
ボクはその手を握って握手をした。
小さくて、柔らかくて、ひんやりしたかわいい手だった。
 
 
「ハウアーユー。ワッチュアネーム?」
「マイネームイズ・タク。ワッチュアネーム?」
 
「マイネームイズ・ユイ。フェアーカムフロム?」
「カムフロム・ジャパン。ナイスチューミーチュユー。」
 
 
なんとか最初の会話は成立した。
ユイと名乗る子は、ボクの隣にちょこんと座って、その体をボクに押し付けてきた。
服越しにその子の体を感じて、ボクは完全に舞い上がってしまった。
 
 
すぐに店員が、その子に飲み物を飲ませろと言ってきた。
先輩がOKと言うと、店員は自分にも飲ませろと言う。
先輩が「厚かましいなあ」という表情をして見せたが、すぐにOKと言って飲ませることにした。
 
 
「タク、なかなかかわいいじゃねえか。小柄で細くて、おめえの好みだろ?」
「いや、好みかどうかわかんないっすけど、かわいいっすねえ。」
 
「ほら、何か話しろよ。ここじゃ何歳か聞いたって大丈夫だからさ。」
「はあ、でも、まあ...。」
 
 
ボクは緊張しまくってて、じっとりと背中に汗をかいているのがわかった。
チラっと彼女の顔を見ると、彼女はボクを見てニコッと笑った。
それを見て、さらに緊張してしまうボクだった。
 
 
店員が2人分のコーラを持ってきたので、みんなで乾杯した。
緊張しているボクを見て、店員がボクの手を取り、彼女の腰に回させた。
腕の中に彼女の体を感じて、ボクはもうどうしようもなく興奮した。
 
 
店員が、ペイバーしろと勧めてきた。
先輩が、いくらだと店員に言った。
店員は料金表のような紙を見せて、ペイバー600バーツ、ショート2,000バーツ、ロング4,000バーツと説明した。
先輩から聞いていた通りだった。
 
 
「タク、どうする?おめえが連れて帰りたいなら、連れて帰ってもいいぜ。」
「でも先輩、まだ来たばかりだし、先輩はどうするんですか?」
 
「オレのことなんか気にするなよ。一人で適当に行くからさ。」
「でも...。」
 
「じゃあ、ショートにして、ここの3階へでも行ったら?オレ、待っててやるから。」
「はい、わかりました。じゃあそうしてみます。」
 
 
すぐにペイバー代の600バーツを店員に支払うと、彼女は着替えに行った。
飲み物代は、先輩がご馳走してくれるとのこと。
しばらくして、彼女が着替えて戻ってきた。
ボクの手を握って、引っ張って行こうとする。
 
 
「タク、終わったらここへ戻って来い。もしいなかった、右奥のレインボー2へ行ってるから。」
「わかりました、先輩。」
「じゃあ、性交の成功を祈る!」
 
 
彼女と一緒に店を出ると、左へ曲がった。
何やら祭ってあるものがあるようで、その前で彼女は手を合わせた。
信心深そうな姿を見て、単純にいい子なんだなあと思った。
 
 
隣にエスカレーターがあったが、彼女はそれを通り越して、ナナプラザの外へと向かった。
外にホテルがあるから、そこへ行くということらしい。
ボクは彼女に引っ張られるまま、ソイ4を左折して歩いて行った。