マサ先輩が次へ行こうと言うので、精算して店を出た。
ぼくはもうちょっと見ていたかったので、ちょっと残念な気がしていた。
マサ先輩は、そんなことを気にする様子もなく、次はあそこへ行こうと歩いて行った。
 
 
「タク、次はここへ入るぜ。」
「いいっすよ、どこでも。」
 
 
店内に入ると、ひどく暗く感じた。
少し狭い感じで、中央のステージが迫ってくるほどだった。
店内は客があふれていて、空いている場所が見当たらない。
仕方なく、マサ先輩とボクは、ステージ周りのカウンター席に座った。
 
 
「ここはな、ショーをやってるんだぜ。もうしばらくしたら、始まるんじゃないかな。」
「へー、ショーですか?どんなショーなんです?」
「そりゃあ、見てのお楽しみよ。」
 
「この店、なんて言うんですか?」
「ロングガンだよ。バカラについで有名な店なんだぜ。」
 
 
ここでもまたビールをたのみ、しばらくは二人で話をしながら飲んだ。
ステージ上では、黒いパンティーだけ身に着けた女の子が、何人か踊っている。
それにしても暗い。
すぐ近くから見ているのに、ステージの端にいる子の顔が見えない。
 
 
踊るグループが変わって、今度は全員がオールヌードのようだった。
ふと見上げると、すぐ目の前に女の子の大事なところがある。
見てみたいけど、恥ずかしくて顔が上げられない。
チラっと見ては、またうつむいてビールを飲んだ。
 
 
そんなことをしていたら、どうやらショーが始まるらしい。
かかっていた音楽が変わり、ステージの端から衣装を着た3人のダンサーが登場した。
音楽に合わせて足を上げたり、開いたりと、それまでとは違ったダンスを見せてくれる。
そして踊りながら、だんだんと衣装を脱いでいく。
 
 
「先輩、これ、ストリップショーじゃないですか?すごいっすねえ。こんなのが目の前で見られるなんて。」
「だろー。ショーを見るのに特別料金は要らないんだぜ。人気なのも当然だろ。」
 
 
そのあともショーが続いた。
今度は最初からオールヌードの太目の女性が登場した。
しばらく踊った後で、秘部から紙で作ったじゃばらのようなものを引っ張り出し、少しずつ伸ばしていく。
縮めれば短いのだろうけど、これだけのものをあの中に収めていたのかと思うと、驚く他なかった。
 
 
その次は、ラッパを吹きながらオールヌードの女の子が登場した。
しばらくして音楽が止まると、ラッパの吹き口を秘部に押し当て、ラッパを鳴らした。
この日はやらなかったが、先輩が言うには同じようにして吹き矢で風船を割るというのもあるらしい。
 
 
ショーを見るのに夢中になって、あっと言う間に時間が過ぎていった。
また普通のダンサーたちが踊り始めたとき、初めてまだビール1本しか飲んでいなかったことに気が付いた。
 
 
「タク、そろそろ他へ行ってみるか?」
「いいっすよ。」
「ここはショーはいいんだけど、女の子は白人好みの子が多いからなあ。」
「そうなんすか?暗くて、顔がよく見えないっす。」
 
 
精算をして、とりあえず店の外に出た。
 
 
「どうする、タク?まだいろいろあるけど、どこか行ってみたいとこあるか?」
「いや、ボクはどこでも。それに、どこの店がどんな感じなのかわからないし。」
「時間は10時を過ぎたところだから、まだ時間はあるな。とりあえず、端から端まで歩いてみるか。」
 
 
そうマサ先輩に言われて、来たのとは反対の方向へとさらに歩いた。
通りのネオンがなくなったあたりで、この先はアソーク通りだと先輩が言った。
そこでまた向きを変えて、来た道をゆっくりと引き返した。
 
 
「オニーサーン。」
「ハロー。アナター。」
「ネー。チョットー。」
 
 
両サイドから、呼び込みの女性の声がかかる。
日本語でこれだけ呼びかけられるということは、それだけ日本人が多いということなのだろう。
 
 
きょろきょろしながら、これはと思える店を探したが、特にそう感じるものはなかった。
そしてとうとう、最後のバカラの前まで戻ってきてしまった。
 
 
「タク、どうする?」
「先輩、ボク、やっぱりここがいいっす。」
「またバカラか。まあいいか。やっぱここが一番だかんな。」
 
 
再びバカラの店内に入ると、客で満席のようだった。
しかも、日本人と思われる客が、半数以上はいるだろうと思われた。
店員から2階へ行くようにと促されて、我々は奥の階段を2階へと上がった。