夕方になるまで、ボクはホテルの部屋の中で過ごした。
特にすることもなかったので、テレビをつけてボーっとしていたのだ。
ルンのこと、相沢という男が話したことなど、ぐるぐると頭の中で駆け巡っていた。
 
 
7時近くになって、ボクはホテルの部屋を出た。
またソイカウボーイへ行ってルンに会おう。
そう思ってはいたが、足取りは重たかった。
ルンに会って、どんな顔をすれば良いのだろうか。何を話せば良いのだろうか。
何かのきっかけで彼女を責めてしまいそうで、そのことが不安だった。
 
 
7時半を少し過ぎたころ、ボクはローハイドの店の前にいた。
やっぱりここへ来る他なかった。
3泊4日の2日目の夜、残す時間はあと2日ほどだった。
 
 
店に入り、シンハービールを注文して、ルンが来ているかどうかを店員に聞いた。
店員は奥へ調べに行ったが、それとほぼ同時にルンが奥から飛び出してきた。
ルンはボクに飛びつくと、体を預けるように隣に座った。
テキーラを飲みたいというので、ボクは二つ返事でそれを許した。
 
 
ルンは、なぜかとても陽気だった。
もうすでに酔っ払っているのではないかと思うほど。
テキーラを飲み干し、マナオというレモンを絞って口にたらし、すっぱそうな顔をボクにして見せた。
その子供のような仕草に、ボクはルンのことがますます好きになった。
 
 
ルンがペイバーしてというと、ボクはすぐにペイバー代を支払った。
その後も、ルンはテキーラを注文し、結局3杯飲んだところでお店を出た。
少し酔っ払った感じでボクにしなだれかかってくるルンを、ボクは心から愛しく思った。
 
 
ボクとルンがタクシーでホテルに戻ってきたとき、時間はまだ9時にもなっていなかった。
部屋に入るとルンは、ベッドにボクを押し倒し、胸に顔を乗せて甘えてきた。
昨日は少しよそよそしかったのに、この変わりようはいったい何なのだろう。
そう思いながらも、悪い気はしなかった。
 
 
ボクがルンの柔らかい胸を愛撫しはじめると、ルンはだんだんと感じてきたようだった。
ルンがボクのベルトをはずし、ズボンのジッパーを下げようとする。
ボクはルンの服をたくし上げ、スカートのホックをはずそうとする。
無理な体勢で悪戦苦闘しながらも、ついには互いにその目的を達成した。
 
 
そして二人ともあられもない姿となり、組み付き、愛撫し合った。
まるで相手を感じさせることが使命であるかのように、感じやすい部分を優しく、ときには激しく愛撫した。
最後はお互いに抱き合い、激しく腰をくねらせた。
 
 
激しい行為も、いつかは終わる。
終わればまた、静かなときがやってくる。
満足感というより、どことなく虚しさを感じてしまう。
それがわかっていても、男と女はその行為を繰り返すのだろう。
ボクにはまだ、そこまでの考えはなかった。
でも、妙な静寂の中で、言い得ぬ虚しさを感じていた。