私は旅行の責任者に電話をし、急で申し訳ないがとアユタヤ旅行に行かないことを告げました。
また、その次の日のガンチャナブリーへの旅行も中止することにしました。
彼女からは何も言われていませんでしたが、おそらくそうなるだろうと思ったからです。
 
 
彼女はその日、私の部屋に泊まりました。
お店には携帯電話で電話をして、終わってそのまま帰るとでも言ったのでしょう。
二人はキングサイズのベッドで、抱き合って寝ました。
若い頃に妻に対してそうしたように、私が腕枕をして彼女を抱き寄せたのです。
私は、まるで青春を取り戻したかのような高揚感を感じていました。
妻や子供たちのことを考えれば罪悪感がよみがえってきますが、なるべく考えないようにしていました。
 
 
次の日、みんなが旅行に出かけた後に部屋を出て、私たちは彼女の部屋へ行きました。
彼女は午後から仕事があったのですが、その日と次の日は、休むことにしたようです。
部屋は友達との相部屋とのことで、中には入れてもらえませんでした。
私は近くのファーストフード店で、コーヒーを飲みながら彼女を待つことになりました。
 
 
30分以上待ったのでしょうか。随分と待たせるなと思っていたところへ、着替えを済ませた彼女がやってきました。
仕事の時の服装とは違って、少しおしゃれにしてスカートを履いています。
私たちはそこを出て、近くのエンターテイメント施設へ行き、ボーリングをしたり映画を見たりして、初めてのデートを楽しんだのです。
 
 
ゴイは、年齢を32歳だと言いました。
見た目には30歳以下でも十分通用する感じですが、そう言われてよく見れば、少し年齢を感じさせるところもありました。
60歳を越えた少年と、30歳を越えた少女は、久しぶりに会った恋人同士のように、一日を過ごしたのです。
 
 
夕方になって、少し早めの食事をしてホテルに戻りました。
遅く帰ると、会社の仲間に見つかる可能性があったからです。
部屋ではソファーに並んで座り、抱きついてくるゴイをなでながら、いろいろな話をしました。
たわいもない話が多かったのですが、お互いに慣れない英語を使っての会話です。
同じ会話を何度も繰り返しながら、お互いの理解を深めていったのでございます。