ボクが体を離すと、エーはすぐに起き上がって、バスタオルを持ってバスルームへ入っていった。
ボクはソファーに座り、テーブルの上にあったペットボトルから水をゴクゴクと飲んだ。
 
 
やっぱりこうなってしまったか。
ある程度は予想していたのだろう。
エーはもう、永遠のアイドルではなくなったのだ。
そして、そうしてしまったのは、他ならない自分自身だった。
 
 
エーのあとで、ボクもシャワーを浴びた。
そして、二人で抱き合ってベッドに入った。
 
 
「ねえ、いつから今の仕事をしているの?」
気持ちが落ち着いたボクは、彼女のことをいろいろと知りたくなった。
「半年くらいよ。」
「今、何歳?」
「23歳」
「大学を出たの?」
「高校を出ただけよ。その後は、いろいろ働いてた。」
「たとえば?」
「工場や洋服のセールス。それにプールバーのウエイトレスもね。」
「今の仕事は楽しい?」
「普通よ。でも、友達もいるしね。」
 
 
そんなたわいもない会話だったが、ちょっとだけエーのことがわかったような気がして嬉しかった。
そしていつしか、ボクは眠りに落ちて行った。
 
 
カーテン越しに朝日が差してくると、否が応でも目が覚める。
ふと横を見ると、エーはまだ眠っているようだった。
起こさないようにとそっと起きたつもりだったが、
ベッドの振動は彼女を起こしてしまった。
 
 
「おはよう。」
そっとそう言うと、エーは何も言わずに起き上がり、そのままバスルームに入っていった。
寝起きは機嫌が悪いのかも。
そう思いながら、ボクは冷蔵庫からペットボトルを取り出し、そのままゴクゴクと水を飲んだ。