「相沢さん、実はあのエーちゃんは、ボクの彼女なんです。」
「えっ、そうなんですか?それは知らなかったなあ。いやー、ペイバーしてなくて良かった。」
 
 
冗談のように相沢はそう言った。
ボクは、エーと恋人になってから、今日までのことを相沢に話した。
そして、それに対してどう思うかを尋ねてみた。
 
 
「まあ、いいんじゃないですか。素敵な恋人ですね。」
「でも、彼女はこの仕事を辞めようとしないんですよ。どう思います?」
「マサルさんは、それが不満なんですね?」
「だってそうでしょう。こうやって男たちが見ている中で、裸同然の格好でいるんですから。いい気はしないでしょう。」
 
 
ボクは、相沢に同意を求めた。
どう考えても、ボクが間違っているはずがない。
実際にエーだって、一度は辞めることに同意したのだから。
 
 
「エーちゃんは、友達がいるから辞めたくないと言ったんですよね。わかるなあ、その気持ち。」
「じゃあ、ボクの気持ちはどうなるんです?彼女は、ボクよりも友達を優先すべきだと?それって、ボクのことを愛してないっていうことですよね?」
 
 
ボクは、矢継ぎ早に質問を投げかけた。
相沢の言葉に、自分が否定されたような気になったからだ。
 
 
「では、逆にマサルさんに質問しましょう。マサルさんは、本当にエーちゃんを愛してますか?」
「何言ってるんですか?もちろんですよ。死ぬほど愛してますよ。だから辛いんじゃないですか。」
「そうですか?ではどうして、エーちゃんが幸せになることを認めてあげないのですか?」
 
 
ボクは相沢の質問に対して、すぐには答えられなかった。
そう言われてみれば、ボクはボクの辛さだけを主張している。
エーが幸せでいることを、ボクはどうして認められないのだろう?
 
 
でも、ボクは間違っていない。間違っているはずがない。
恋人がいるのに、他の男に肌をさらす。
その方が絶対に間違っている。
ボクは、それでもエーが幸せだということを、否定する理由を探した。