次の月の生活費をエーに渡して、ボクはいったん帰国した。
今度やってくるのはまた1ヶ月後になる。
ちょうどそのころ、エーの誕生日がある。
ボクは、そのときには決めてくれるのではないかと、勝手にそう思い込んでいた。
 
 
 
帰国してからボクは、毎日のようにエーにメールを送った。
エーも、ほぼ毎日メールを返してきた。
途中、2~3日返事が来ないこともあったが、その後は逆に1日に2~3通届くこともあった。
相変わらず仕事がらみの内容は、書いてこなかった。
しかし、以前より楽しいメール交換が続いた。
 
 
ボクは、エーの誕生プレゼントを考えた。
彼女は、どんなものを喜ぶだろうか?
化粧品や服は、好みがありそうで選べなかった。
 
 
味気ないけど、タイで金製品を買って贈るのも悪くない。
まず嫌がられることがないからだ。
日本で金のアクセサリーといえば、18K(純度75%)が主流だ。
しかしタイでは、23K(純度96.5%)が主流となっている。
それだけ換金性が高くなり、好まれるようだ。
 
 
悩んだ末、2バーツ(※)の金のネックレスと、小柄な和扇子を贈ることにした。
金のネックレスは相場によって変わるが、だいたい3万バーツくらいで買えるだろう。
扇子はそれほど高くないので、合わせて9万円弱くらいの予算だ。
 
 ※金は、その重さをバーツという単位で表す。(1バーツ≒15.16g)
  通貨のバーツと同じ言葉を使用するが、意味は異なる。

 
 
ボクとしては、随分と張り込んだものだと思う。
毎月の生活費として約11万円も払い、さらにプレゼントに9万円も使うのだ。
これだけ使うのだから、エーも喜んでくれるだろう。
 
 
ボクは、単純にそう思っていた。
そして1ヶ月があっと言う間に過ぎ、またタイに行く日が近づいてきた。
エーの誕生日のことは、まだ何も言っていない。
タイに到着する次の日が、彼女の24回目の誕生日になっていた。